ペットのこころの病

飼い主から離されると強い不安を抱く症状は、甘えん坊の犬や、依存心の強い犬によくみられます。飼い主がいないと、しきりにほえる、部屋を荒らす、トイレ以外で排泄するなどの問題行動がその典型的な例です。飼い主と離れる時間に、徐々に慣らしていくことは、ペットにとっても幸せなことです。ペットの飼い方として、子犬のときから一定の時間は1匹にして自立心を育てることにこころがけるのも大事なことです。

災害などで愛されていた飼い主と離別したり、飼育環境が急変することはペットにとっては耐えられないストレスになります。あまりにも大きなストレスを受けると、強迫神経症の症状があらわれることがあります。

自分の尾に咬みついたり、尾を追いかけてグルグル回ったり、 足や爪をいつまでもなめ続け皮膚がめくれてしまう自傷行為に至ったりという問題行動を続けます。

神経質で臆病な犬は大きい音などの刺激に遭遇するとパニック状態となることがあります。こわがる原因となるのは花火や爆竹、雷や稲光、道路工事の音や車のクラクションなどです。こちらも訓練と考えて、根気よく徐々に大きな音による刺激に慣れさせることが大切です。

人間やほかの動物を激しく威嚇する攻撃症は、もともとは縄張りを守ろうとする犬の本能的な行動ともいえます。ただ生後すぐに母親から離された犬や、人とほとんど接触しないで育った犬に多くみられます。

これらは遺伝的な素因もありますが、ドーパミンやセロトニンといった腸内の神経伝達物質の減少も一因として考えられます。