ようこそ、フク。

被災した動物を助けるNPOのサイトを読んでいて

胸がつぶれるような気持ちになった。

なにか協力したいという気持ちがおさえられない。

タマが死んで49日もすまぬのに、そう反対するつれあいを 

犬を飼うんじゃない、犬を一匹助けるんだ、 

そう説得し福島の被災犬の里親になることにした。

それから一年と数ヶ月がたつ。

 

その子犬は原発事故による立ち入り禁止区域の紀州犬で

飼い主自身も避難所生活を余儀なくされていた。

母犬父犬は、実際にイノシシ狩りに使っていた猟犬だったという。

母犬は被災したときすでに妊娠していて

被災地のシェルターで五匹の子犬を生んだ。

当時は人間の生き死さえ深刻な問題になってるころで 

被災動物の頭数も多く、犬舎も狭い上に、 

スタッフも足りず、子犬を育てられる環境ではなかった。 

産後の母犬の状態はとても悪く、生まれた5匹のうち3匹は 

とても育てられないと観念した母犬が 

自ら喰い殺してしまったそうだ。 

まるで寺山修司の身毒丸ではないか。 

 

シェルターではやむなく母犬から子犬をひきはなし、 

横浜のボランティアの方が生後間もない子犬を預かった。

一匹はなんとか育っていたが、もう一匹は身体も兄弟より

ふたまわりも小さく、カイセンやコクシジウムが酷くて、

離乳食やミルクもじょうずに飲むことができない。 

子犬同士でじゃれあってできた少しの傷も

すぐに化膿してしまい、なかなか治らない。

獣医さんもこの子はだめかもしれんとさじを投げかけていた。

それでもボランティアの人が懸命に命をつないでくれた。 

 

 

わたしたちは迷わず、里親になるなら

その身体の弱い子のほうをもらうことに決めていた。

最初は里親に強固に反対していたつれあいだったが

結局は、新幹線にのせて横浜から岐阜まで連れてきてくれた。

福島の被災犬で、とても悲惨な生まれ方をしたけれど

どうか幸福になってほしいと願ってフクと名前をつけた。

 

はじめて家にきたフクはおどおどしていた。

両耳に大きなホクロ?と思ったが違っていた。

兄弟犬に咬まれた傷が、化膿したあとだった。

身体全体がねちねちし、わきがみたいな体臭があった。

 

タマの介護を通してNS乳酸菌が

動物の免疫力を高めるとわかってたので

毎日エサと飲み水に混ぜて与えてみた。

NS乳酸菌でスペシャルヨーグルトをつくって

エサにかけると、身体が求めるのか

ばくばく、がしがしと音をたてて食べた。

フクの健康はみるみる回復して、本来のアスリート犬になった。

走る姿はドッグレースにだしたいくらいめちゃくちゃ速い。

甘えん坊なのに、自立心がすごく強い。 庭にだしておくと 

虫やら、花やら、ボールやらで一日中ひとり遊びしてる。 

不思議にわきがのような体臭も知らず知らずのうちに

まったく気にならなくなった。

町中でたぶんいちばん元気な犬なんではないだろうか。

と、ついペット自慢したくなる気分になる。

 

せっかくつないだ、小さな命だもの 

大事に、大事に、咲かせてほしい。

 

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ジンフェン博士プロフィール

NS乳酸菌開発者:金鋒(Jin Feng )

1956年、内モンゴル・フホホト市⽣まれ。東京⼤学理学部博⼠課程終了。⼈類遺伝学博⼠。現在、中国科学院⼼理研究所教授として、遺伝⼦と⽣物の関係から乳酸菌が⽣態系環境循環に与える影響について研究を続ける。中国中央⺠族⼤学・⻄北師範⼤学・天津師範⼤学・内蒙古師範⼤学の特別招聘教授を歴任。またインターナショナルオーガニック認証団体QAI中国代表でもある。日本語での著書も多数。


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